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「国連平和大学 Asian Peacebuilders Schalrship (APS)」12期生のブログです。「日本一APSに詳しいブログ」を目指して、APS、海外大学院留学、フィリピン、コスタリカ生活など色々書き綴ってます。

ムクウェゲ氏にノーベル平和賞:その理由と今後の影響について、国連平和大学でジェンダーと平和を学ぶ学生が考えてみる

2018年のノーベル平和賞に、アフリカのコンゴ民主共和国(Democratic Republic of the Congo, 以下DRC)出身の医師であるデニス・ムクウェゲ(Denis Mukwege)氏とイラク出身のナディア・ムラド(Nadia Murad)氏が選ばれました。

今回の記事では、国連平和大学(University for Peace)の修士課程で「ジェンダーと平和構築(MA in Gender and Peace Building)」を専攻している学生として、前者のムクウェゲ氏にスポットを当て、なぜ「医師」であるムクウェゲ氏がノーベル「平和」賞を受賞したのか、またその受賞理由と関係する「戦時性暴力」について、さらには今回の受賞がもたらす今後の影響について(ざっくりとですが)考えてみます。

  

 

なぜムクウェゲ氏が選ばれたか?それは、戦時性暴力(wartime sexual violence)に立ち向かった医師だったから

なぜムクウェゲ氏が今回ノーベル平和賞を受賞したのでしょうか?一言で言うと、内戦の渦中にあるDRCで、戦時性暴力の被害を受けた多くの女性を救った(治療した)から、と言えます。ムクウェゲ氏のこれまでの活躍は映画『女を修理する男(原題:The Man Who Mends Women)』で描かれています(ムクウェゲ氏が実際に来日されたり、映画も日本で何度か放映されたそうなのですが、私は海外にいたため観ることができませんでした。機会があればぜひ一度ご覧ください)。

  

戦時性暴力とは?内戦と性暴力の関係について

では、戦時性暴力とは何でしょうか?まだまだ勉強中の身ではありますが、ここでは戦時性暴力を、「内戦(一国の中で開始された戦争)時に行われた性暴力」と限定して、以下少しだけご紹介します(大変難しいテーマなので随時加筆修正をします)。

まず内戦についてですが、かなり噛み砕いて言うと、内戦とは、1つの国の中で民族間の対立や、政治的な対立等が生まれ、そこから武力を持ったグループが組織され、武力衝突が起こり、それが国内全体に広がり深刻な戦闘状態に発展した状態を指します。その内戦の中で、特に弱い立場となるのが、女性と子どもです。内戦の中では、ただ武器を使って相手を殺すだけでなく、強姦をはじめとする性暴力も武器として用いられることがあります。これを「戦時性暴力(wartime sexual violence)」と言ったり、「ジェンダーに基づく暴力(Gender Based Violence:GBV)」と言ったりします。

 

「武器」としての性暴力(sexual violence as a weapon)

それではなぜ、性暴力が武器として使われるのでしょうか。内戦時での性暴力が国際社会の耳目を集めたのは、1994年のルワンダでの虐殺(ルワンダジェノサイド)、そして翌年1995年のスレブレニツァの虐殺(ボスニア・ヘルツウェゴビナ)だと言われています。2つの虐殺は場所も対立する民族も異なっていますが、どちらも性暴力を武器として用いた点で類似しています。

性暴力を武器として用いた理由としては、

 ・対立する民族の女性に自分の民族の子供を妊娠させ、対立する民族の数を減らす

 ・対立する民族の女性を妊娠できなくさせ、対立する民族の数を減らす

(こうした民族の存在そのものを消そうとする動きのことを「民族浄化(ethnic cleansing)」と言います)

 ・性暴力を通じて、対立する民族に恐怖・心理的なダメージ(トラウマ)を与える

などが挙げられています(繰り返しますが、まだ勉強中のため絶対にこれだ!というわけではありません。機を見て加筆修正します)。

今回の受賞と今後の影響について

最後になりますが、今回の受賞を機に、これからどんな影響が予想されるでしょうか。個人的な見解としては、DRCの事例以外でも、上記に述べた戦時性暴力に対する関心や理解が世界中で進むのでは、と感じています。

例えば、ムクウェゲ氏が尽力しているDRC以外にも、ミャンマーのロヒンギャ難民危機でも民族浄化や戦時性暴力が報告されています。

       

また、ムクウェゲ氏と同時に受賞されたナディア・ムラド氏もテロ組織「イスラム国」で深刻な性暴力を受けた方であり、またその事実を世界に発信された方です。

世界各国で深刻な紛争が起こっているのは否定しようのない事実であり、そこには必ず戦時性暴力の被害者の方々がいらっしゃるはずです。被害者の方々は、身体的なダメージだけでなく精神的にも深刻なダメージ(PTSDなど)を受け、さらにはHIVなどの問題にも直面することになります。

今回のノーベル平和賞を機に、戦時性暴力に対する取り組みや議論が活発になると思いますし、またぜひそうなって欲しいと思っています。

以上、ざっくりとしすぎてしまったのですが、今回のノーベル平和賞受賞に関する持論でした。今回はここまでとさせて頂いて、機を見て随時加筆修正を行う予定です。